ブラックバスの生態・習性(マニア編)3
- バス釣り講座トップ
- バス釣り入門−ブラックバスの生態(マニア編)
- ブラックバスの生態(マニア編)3
ストレスと産卵の関係
スポーニング前に親バスがストレスを感じると(釣られるなど)、その卵の孵化はそうでない親から生まれた卵に比べ遅くなり、孵化した仔バスの体も小さいそうです。
孵化が遅れればそれだけ捕食される危険性が高まり、体が小さいほど被捕食率や冬季の致死率が上がるため、
スポーニング前に釣られることはバスの繁殖にとって不利益といえるでしょう。
(参考文献)
Kenneth G.Ostranda, Steven J.Cookeb, and David H.Wahl.
Effects of Stress on Largemouth Bass Reproduction.
North American Journal of Fisheries Management; Vol.24, Issue3 (August 2004)
バスはどれくらいの大きさになると産卵するのか
ラージマウスバス(Micropterus salmoides)の場合、1歳以上かつ10ins.(約25cm)に達したものは産卵ができるそうです。
(参考文献)
James H.Tidwell, Shawn D.Coyle and Timothy A.Woods.
Species Profiles; Largemouth Bass.
Aqua KE Gov. Doc. (Jan 2000)
一回の産卵でどれくらいの量の卵を産むのか
ラージマウスバス(Micropterus salmoides)の場合、一匹の雌バスは2,000〜7,000個/lb(BW)の卵をお腹にかかえるそうです(平均は4,000個/lb(BW))。
そして一回の産卵でそのうちの数百個を産みつけ、その後また他のネストへ向かい産卵を行うそうです。
一つのネストを複数の雌バスが使うこともあり、これによって一つのネストに数百から数千の卵が産み付けられるとのことです。
(参考文献)
James H.Tidwell, Shawn D.Coyle and Timothy A.Woods.
Species Profiles; Largemouth Bass.
Aqua KE Gov. Doc. (Jan 2000)
バスの卵はどれくらいで孵化するのか
ラージマウスバス(Micropterus salmoides)の場合、18℃で10日、26℃で5日だそうです。
(参考文献)
James H.Tidwell, Shawn D.Coyle and Timothy A.Woods.
Species Profiles; Largemouth Bass.
Aqua KE Gov. Doc. (Jan 2000)
孵化した稚魚はどれくらいで親離れをするのか
ラージマウスバス(Micropterus salmoides)の場合、ヨークサックが無くなり0.5〜1ins.の大きさになる孵化後1〜2週間頃に巣離れをするそうです(※1)。
2〜4週間とするものもあります。(※2)
巣離れをするまで巣の中で雄バスに守られながら育ちます。
(参考文献)
(※1)James H.Tidwell, Shawn D.Coyle and Timothy A.Woods.
Species Profiles; Largemouth Bass.
Aqua KE Gov. Doc. (Jan 2000)
(※2)Keith A.Jones,PhD.
KNOWING BASS.
The Lyons Press.(2002)
秋に産卵するバス
秋に産卵するバスもいるそうです。文献はバスの生殖腺は秋季にも十分発達しており、水温等条件が揃えば秋季の繁殖行動もありえるだろうと述べています。
ちなみに、春の産卵をファーストスポーン(first spawn)、秋の産卵をセカンドスポーン(second spawn)といいます。
(参考文献)
山家 秀信, 棟方 有宗, 会田 勝美, 伏谷 伸宏, 北村 章二;
“秋元湖におけるコクチバスの生殖周期”,
日本水産学会誌, Vol. 70, pp.896-901 (2004)
ブラックバスの卵を捕食する生物
バスの卵を捕食する生物として、ブルーギル、ヨシノボリ、ウグイ、オイカワ、コイなどが報告されているそうです。
参考文献はウグイによるブルーギル卵の捕食効果を検証したもので、ウグイによるブルーギル繁殖抑制効果の有効性について述べられています。
(参考文献)
片野 修, 坂野 博之, BORIS VELKOV;
“ウグイによるブルーギル卵の捕食効果についての実験的解析”,
日本水産学会誌, Vol.72, pp.424-429 (2006)
関連ページ
バス釣り講座トップへ│このページのトップへ
※前のページへ戻る時はブラウザの戻るボタンをお使いください。