ブラックバスの生態・習性(マニア編)5

ブラックバスの聴覚

バスはエサを探す時、聴覚による音の感知や側線を利用した振動の感知が大きな役割をもっています。

まずバスの耳についてですが、バスもヒトと同様耳をもち、音を聞くことができます。 ただし、ヒトの耳が外耳(耳掃除をする部分)・中耳(鼓膜の中)・内耳(うずまき管や半規管がある部分)から構成されるのに対し、 バスの耳は内耳のみで蝸牛(うずまき管)もありません。
さらに、主にヒトは外耳から入ってくる空気の振動を音として感知しますが、 バスは浮き袋の振動も利用して音を聞くという点でもヒトと若干の違いがあります。

ブラックバスの側線

次に側線についてです。

ブラックバスの側線の解剖図
これはブラックバスの側線を図示したものです。 まず(a)をご覧ください。
側線はこのように赤い部分と青い部分に分類できます。 頭部の赤い部分が“cephalic system(以下CS)”、眼の後ろから尾にかけての青い部分が“lateralis system(以下LS)”と呼ばれます(日本語名は確認中)。 LSは振動源の方向や距離の感知を、CSはその振動のより細かい分析を行うのに役立っています。 CSは皮膚の下に隠れていますが、LSのうちエラブタよりも尾側は体表に現れています。 魚の写真を見ると側面に点々がありますが、あれがLSです。

LSを拡大したものが(b)です。
側線の穴と穴の間に神経小丘という構造物があり、有毛細胞の上にクプラというゼリー状の物体が被さっています。 バスの周りの水が動くと側線内の水も動き、それによってクプラが左右に傾きます。 クプラが動くと有毛細胞の毛(感覚毛)も動き、それが刺激となって有毛細胞と繋がっている神経が興奮し、脳に刺激が伝達されるという仕組みです。

LSは振動源の方向を感知できると述べましたが、それを説明しているのが(c)です。 各々の絵の下に示した棒は神経の興奮頻度です。 左の絵はクプラが一方向に曲げられていますが、このとき興奮頻度は高くなっています。 一方右の絵はクプラが先とは逆方向に曲げられていますが、このとき興奮頻度は低くなっています。 この違いによってどちらに振動源があるのかを感知できるというわけです。
ちなみに、ヒトの三半規管にもクプラがあり、同様の仕組みをもっています。

側線による振動の知覚がどのような感覚なのかは実際に我々ヒトが体験することはできないものですが、Dijkgraaf氏は側線による感覚を“distant touch”と述べています。 (S. Dijkgraaf,"Electroreception and the ampullae of lorenzini in elasmobranchs." Nature 201, 523 (1964))

内耳と側線の使い分け

バスが水の振動を感知する器官には内耳と側線があるというのが上のお話でした。 側線で水の振動を良く感知できるのは、振動源が自分の体の数個分の距離までにある場合だそうです。 それよりも遠い位置にある場合は内耳での聴覚に軍配が上がるそうです。 (Keith A.Jones."KNOWING BASS" THE LYONS PRESS)

バスが最もよく聞くことができる音は100Hz前後であり、200Hzを超えると急激に感度が鈍くなります。 そして600Hzを超えると聞こえなくなると考えられています(Keith A.Jones."KNOWING BASS" THE LYONS PRESS) ヒトの耳が感知できる音の範囲が20Hz〜20000Hzであることを考えると、バスの感知できる音は低音の非常に限定された範囲であることがわかります。
100Hzがどれほどの低音なのかをこちら(外部リンク)でご確認ください。

ここである提案が思い浮かびます。 「100Hzの音を発するルアーを作れば、ルアーの存在をバスに気付かせることができ、もっとたくさん釣れるじゃないか」と。 ところが、必ずしもそうとは言えないだろうというのが私の考えです。 たとえば、ヒトが最もよく敏感に感知できる音は3000Hzですが、先ほどご紹介したサイトで3000Hzの音を聞いてみてください。 率直な感想は「うるさい!」だと思います。 この3000Hzの音が聞こえてきたら確かにすぐに気付きそうですが、この音から逃げるように静かな場所へ移動したくなりますよね。 バスにとっても100Hzが不快な音に聞こえたとすると、その場から去ってしまうこともありうると思います。

一方、肯定論も持っています。 うるさければ「うるせー!」と腹が立ちます。 朝、目覚まし時計を叩き落す感覚を思い出していただければ実感できると思うのですが(私だけでしょうか…^^;)、 もしバスのイライラを呼び起こすことができればそれを利用して口を使わせることも可能かもしれません(あくまでも想像でのお話です)。

側線で感知しやすい周波数が20〜80Hz、内耳では50〜200Hzである(Keith A.Jones."KNOWING BASS" THE LYONS PRESS)ことを考えると、 ベイトが発する音はこの範囲に含まれるのだろうと予測できます。
ちなみに、今(2008年9月現在)のところバスの“食欲”に訴える音は明らかになっていないそうです

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